A4版700頁 上製本
定価 44,000円(本体価格)
ISBN978-4-9902720-9-8
C3050 \44000E
A4版700頁 上製本
定価 44,000円(本体価格)
ISBN978-4-9902720-9-8
C3050 \44000E
「ダイヤモンド技術総覧」発刊にあたって 東京工業大学名誉教授 吉川昌範
ダイヤモンドは類い稀な輝きと硬さを持っていることから、古代エジプトの時代から最高の装飾品として人々を魅了し、また工具として利用 されてきました。しかし、産業への本格的な利用は1955年の米国GE社によるダイヤモンドの合成成功に端を発し、それに続くcBN,そ れら焼結体の合成成功以後のことと言えるでしょう。近年の工業用ダイヤモンドの各産業界への利用は日増しに拡大をみせており、またダイヤ モンドを素材とした応用製品の開発も新たな展開を示しています。
この展開の背景には、自動車、工作機械、カメラ、時計、エレクトロニクス、情報機器、医療機器、半導体など広範囲の産業分野における高生
産性、高精度化の厳しい要求に伴う加工技術の目覚しい進展、素材革命といわれる多彩な難削材の急激な拡大、という時代の流れがあります。
工具としてのダイヤモンド技術の応用開発は、わが国の得意とする生産性向上への要求、精密加工から超精密加工への要求、新素材の出現によ
る難加工性材料への対応、という時代の要請に沿って拡大、進展してきたと言えます。
一方、ダイヤモンドは硬さ・耐摩性の活用という工具としての利用だけでなく、機械的、熱的、光学的、電気的なダイヤモンド固有の物性に光
を当て、新たな素材としての応用製品を導き出そうとしています。これらの動きとして、ダイヤモンド気相合成技術の研究、ヒートシンク、
窓、センサー、電子放出材料や半導体材料としての応用研究があげられるでしょう。
このような折に、ダイヤモンドに関する技術を一冊にまとめた書物の出版が要望され1987年に小生が編集委員長を務めて、1,150頁に
及ぶ「ダイヤモンドツール」が出版され好評を得ておりました。しかし、技術進歩の著しい昨今、現状にそぐわぬ部分が多くなり、ダイヤモン
ド技術に関する改めての出版が必要とされるに至りました。
本書は、タイトル名の示すとおり、各産業界でのハード、ソフト双方にまたがる加工とその周辺技術に関わる産官学の現場技術者、研究者のご
協力をいただき、さらにダイヤモンド工業協会が、それを全面的にバックアップする体制のもとでまとめられました。最近の高度化に伴うナノ
加工とその周辺技術の発展にも関わるダイヤモンドの応用製品に関する知識が網羅されているものと自負しています。ダイヤモンド技術に携わ
る方々に活用して頂ければ幸いです。
編集委員会 | ||||
編集委員長 | 吉川 昌範 | 東京工業大学 名誉教授 | ||
編集委員 | 鈴木 数夫 | トーメイダイヤ㈱ 技術顧問 | ||
大竹 尚登 | 名古屋大学 助教授 | |||
太田 稔 | 日産自動車㈱ シニア・エンジニア | |||
向井 良平 | ㈱豊幸 取締役 | |||
MAIN CONTENTS | ||||
【ダイヤモンド技術総 覧の発刊にあたって】 | 吉川 昌範 | |||
内田 宏 | ||||
【序説 ダイヤモンド 技術を展望する】 | ||||
究極材料としてのダイヤモンド | 吉川 昌範 | |||
ダイヤモンド・cBN及びDLC 工具の現状と将来 | 斎藤 良夫 | |||
【第1章 ダイヤモン ド・cBN及びDLCの製造法】 | ||||
1節 | 天然ダイヤモンドの産出 | 吉川 昌範 | ||
2節 | 合成ダイヤモンド・cBNの製造 | |||
2・ 1 | 静的高圧合成法 | 角谷 均 戸田 直大 |
||
2・ 2 | 動的高圧力(爆発衝撃圧縮法) | 荒木 正任 | ||
2・ 3 | 動的高圧力(爆轟法) | 角舘 洋三 | ||
2・ 4 | ダイヤモンド・cBNの気相成長 | 神田 一隆 | ||
3節 | 焼結ダイヤモンド・焼結cBNの 製造 | |||
3・ 1 | ダイヤモンド焼結体の製造 | 細見 暁 | ||
3・ 2 | cBN焼結体 | 角谷 均 | ||
4節 | DLCの製造 | 大竹 尚登 青木 佑一 近藤 好正 |
【第2章 ダイ ヤモンド・cBN・DLCの種類と性質】 | ||||
1節 | 大型ダイヤモンド単結晶 | 角谷 均 | ||
2節 | ダイヤモンド及びcBNパウダーの企画及び測定法 | 鈴木 数夫 | ||
3節 | ダイヤモンドパウダー | |||
3・1 | メッシュサイズダイヤモンドパウダー | 鈴木 数夫 | ||
3・2 | ミクロンサイズダイヤモンドパウダー | 鈴木 数夫 | ||
3・3 | ナノサイズダイヤモンドパウダー | 山中 博 | ||
4節 | cBNパウダー | 鈴木 数夫 | ||
5節 | CVDダイヤモンド | 大竹 尚登 | ||
6節 | 焼結体 | |||
6・1 | ダイヤモンド焼結体 | 細見 暁 | ||
6・2 | cBN焼結体 | 角谷 均 | ||
7節 | DLC | 大竹 尚登 青木 佑一 近藤 好正 |
【第3章 ダイ ヤモンド・cBN・DLC工具の種類と性質】 | ||||
1節 | 切断工具 | |||
1・1 | サーキュラーソーブレード | 矢沼 勝行 | ||
1・2 | ポータブルカッター | 針生 修一 | ||
1・3 | ワイヤーソー(ビーズ) | 吉本 昭典 小池 昭博 |
||
1・4 | 精密切断用ワイヤーソー | 吉本 昭典 小川 秀樹 |
||
1・5 | カッター | 前田 知洋 | ||
1・6 | ハブ付プレード・リングプレード |
菊間 良三 |
||
1・7 | IDプレード | 緒方 誠也 永田 滉 |
||
1・8 | チップソー | 竹村 曽吉 | ||
2節 | 切削工具 | |||
2・1 | 切削加工概論 | 帯川 利之 | ||
2・2 | 切削工具の種類・製造法・性質・選択法 | 高橋 洋一 | ||
2・3 | ダイヤモンド切削工具 | 堀川 尚之 | ||
2・4 | ダイヤモンド焼結体切削工具・チップソー | 吉本 昭典 井上 治男 |
||
2・5 | cBN焼結体切削工具 | 深谷 朋弘 | ||
3節 | 研削工具 | |||
3・1 | 研削加工概論 | 庄司 克雄 | ||
3・2 | ホイールの種類・規格・製造法・性質・選択法 | 相川 博勝 宮本 祐司 |
||
3・3 | レジンボンドホイール | 沖 宏 | ||
3・4 | メタルボンドダイヤモンドホイール | 吉本 昭典 田仲 正生 |
||
3・5 | ビトリファイドボンドダイヤモンドホイール | 緒方 誠也 永田 滉 |
||
3・6 | 電着ダイヤモンドホイール | 緒方 誠也 永田 滉 |
||
3・7 | 単層メタルホイール | 吉本 昭典 田中 勝 |
||
4節 | 研磨工具 | |||
4・1 | 研磨加工概論 | 安永 暢男 | ||
4・2 | ポリッシャー(石材) | 上野 和久 伊吹 和洋 |
||
4・3 | ラップ・ぺレット | 西岡 芳樹 小野 徹 |
||
4・4 | ヤスリ | 焼田 和明 | ||
4・5 | ダイヤモンド研磨布紙 | 安田 春光 | ||
4・6 | ダイヤモンドペーストスラリー | 中澤 克之 | ||
5節 | ドレッサー・コンディショナ | |||
5・1 | ドレッサー総論 | 中澤 克之 佐川 正行 |
||
5・2 | ドレッサー | 大串 守 古屋 室長 |
||
5・3 | ロータリードレッサー | 柳沢 真司 山口 雅和 榊原 貞雄 |
||
5・4 | CMPコンディショナ | 力田 直樹 | ||
6節 | 穿孔工具 | |||
6・1 | 穿孔工具の種類・製造法・性質・選択法 | 和田 篤 | ||
6・2 | ビット | 中森 崇 | ||
6・3 | コアドリル(土木・石材・建材) | 矢沼 勝行 | ||
6・4 | コアドリル(精密) | 土上 大蔵 | ||
6・5 | ダイヤモンドドリル(リーマー) | 福井 章雄 | ||
6・6 | ダイヤモンドドリル(ダイヤモンドコーティング) | 高野 茂人 | ||
7節 | 耐摩工具 | |||
7・1 | 耐摩工具の種類・性質 | 竹内 友幸 | ||
7・2 | ダイス・ノズル・ガイド | 竹内 友幸 | ||
7・3 | スタイラス | 油井 広一 | ||
7・4 | ガラス切り・液晶用ガラス切り | 冨森 紘 | ||
7・5 | スクライバー | 河村 信彦 | ||
7・6 | ボンディングツール | 竹内 友幸 | ||
7・7 | 硬度計用圧子 | 加瀬田利敬 | ||
7・8 | PCD耐摩工具 | 中森 康徳 |
【第4章 工具 修正及び油剤】 | ||||
1節 | ツルーイング・ドレッシング | |||
1・1 | ツルーイングとドレッシング | 東江 真一 | ||
1・2 | ダイヤモンドホイールのツルーイング・ドレッシング | 緒方 誠也 永田 滉 |
||
2節 | 切削・研削油剤 | |||
2・1 | 切削・研削油剤概論 | 冨田 進 | ||
2・2 | 切削・研削油剤 | 丹羽 栄次 | ||
2・3 | 環境と切削・研削油剤 | 丹羽 栄次 |
【第5章 材料 加工への応用】 | ||||
1節 | 建築土木資材・石材 | 谷岡 誠之 | ||
2節 | セラミックス | |||
2・1 | 構造用・機能性セラミックス | 佃 昭 | ||
2・2 | サファイヤの加工 | 黒岩 輝夫 | ||
3節 | 樹脂・ゴム | 緒方 誠也 永田 滉 |
||
4節 | 繊維強化プラスチック、金属其複合材料 | 藤原 順介 | ||
5節 | Si・Ge・化合物半導体材料 | 閻 紀旺 | ||
6節 | ダイヤモンド(ダイヤモンド工具の研削・磨き) | 吉本 昭典 小畠 一志 |
||
7節 | 鉄鋼 | |||
7・1 | cBN工具による切削 | 新谷 一博 | ||
7・2 | cBNホイールによる切削 | 太田 稔 | ||
8節 | 非鉄金属(アルミ.銅…ダイヤモンドによる切削中心) | 深谷 朋弘 |
【第6章 製造 業への応用】 | ||||
1節 | 工具・金型 | |||
1・1 | 機械部品金型への応用 | 安齋 正博 高橋 一郎 |
||
1・2 | 光学部品金型への応用 | 田中 克敏 | ||
2節 | 電気・電子機器 | |||
2・1 | 磁気ヘッドの加工切断への応用 | 前田 知洋 | ||
2・2 | HDDヘッド製造プロセスに於けるナノクラスダイヤモンド砥粒の実用例 | 進藤 勉 | ||
2・3 | 磁気ディスクへの応用 | 中川 健二 | ||
2・4 | モータ部品の加工 | 緒方 誠也 永田 滉 |
||
3節 | 電子・デバイス | |||
3・1 | 液晶・FPDへの応用 | 冨森 紘 | ||
3・2 | 導光板 | 吉田 雄二 | ||
3・3 | 水晶振動子 | 鬼島 幸光 | ||
4節 | 半導体 | |||
4・1 | ウェーハダイシング | 荒井 一尚 | ||
4・2 | ウェーハ裏面研削・裏面研磨 | 荒井 一尚 | ||
5節 | 光学・情報通信・精密機械 | |||
5・1 | 光コネクターの加工 | 松井 伸介 | ||
5・2 | 窓・センサ・SAWデバイス等への適用 | 鹿田 真一 | ||
5・3 | 時計部品加工とその応用 | 篠原 正 | ||
6節 | 自動車 | |||
6・1 | 歯車の研削・ホーニング | 津野 正行 | ||
6・2 | 箱物部品(ヘッド、ブロック、ミッションケース)の切削 | 吉本 昭典 井上 治男 |
||
6・3 | 箱物部晶のホーニング(自動車のエンジンのホーニング加工) | 國木 稔智 | ||
6・4 | 燃料噴射装置、ポンプ等精密部品の加工 | 由井 隆行 | ||
7節 | 測定・検査機器(測定子、ダイヤモンド圧子の製造) | 加瀬田利敬 | ||
8節 | 電子部品材料、セラミックス構造用部品などの加工 | 福西 利夫 小倉 養三 |
||
9節 | 宝石の加工 | 小杉 元 |
【第7章 ダイ ヤモンドとトライボロジー】 | 三好 和壽 鈴木 学 |
【第8章 ダイ ヤモンド・cBN工具トラブルシューティング】 | 斎藤 良夫 |
【第9章 将来 に向けた新たな展望】 | ||||
1節 | 環境にやさしい加工 | |||
1・1 | ドライ・セミドライ加工(概論のイメージ) | 中村 隆 | ||
1・2 | MQL切削加工 | 須田 聡 | ||
2節 | マイクロ・ナノテクノロジーヘの応用 | |||
2・1 | ダイヤモンドの超微細加工・極細 | 竹内 貞雄 | ||
2・2 | 微細ダイヤモンド工具 | 吉野 雅彦 高橋 智幸 |
||
2・3 | ダイヤモンド.cBNエンドミル | 今泉 英明 | ||
2・4 | ダイヤモンドメス | 奥住 文徳 | ||
3節 | ダイヤモンドの将来への応用 | |||
3・1 | 電子エミッタ | 鹿田 真一 | ||
3・2 | DNA固定診断用基盤 | 高橋浩二郎 | ||
3・3 | ダイヤモンドライクカーボンの生体応用 | 長谷部光泉 鈴木 哲也 |
||
3・4 | 紫外線発光素子 | 河村 亜紀 堀内 賢治 |
||
3・5 | 高周波パワーデバイス | 川原田 洋 | ||
3・6 | ダイヤモンド電極及びアモルフアス炭素の電気的応用 | 大竹 尚登 赤坂 大樹 |
||
3・7 | 医療応用 | 小松 直樹 | ||
3・8 | カラーダイヤモンド | 神田 久生 |